2017年7月6日木曜日

かかりつけ医

もう、二年以上前のこと。
とある施主であるお医者さんと打ち合わせしていた時のこと。


諸川設計(以下、諸) 「では、この件は設備設計者と相談してみます。」
施主(以下、施) 「設備設計者さんと諸川さんたちの様な設計者さんと、何が違うのですか?」
諸 「私たちは意匠(計画)の分野の設計者が、プランやコスト、デザインなどを担当し、その中に入る専門的な分野は別に「構造、電気設備、機械設備」の設計者が担当します。お医者さんでいう、外科や内科などの専門科のようなものでしょうかね。」
すると
施 「諸川さんの意匠設計者は、外科ですか?内科ですか?」
思わず、「う~ん」とうなってしまう出来事でした。

どんな答えがあったんでしょうか・・・。

その後、ぼんやりと考えてみました。
彦根に帰ってくる前は、東京の事務所で主に病院建築ばかり担当していた。

そこで、行き着いたイメージです。
構造や設備設計の仕事は、ある程度意匠設計がまとめた中で、自分の分野を中心に作業していき、勝負が早い。

例) 施主がここに電気容量でこのくらいの機器をおきます。→ そこに妥当な容量の電源を設計する。 みたいなイメージです。

そうするとたぶん外科医の仕事。患者の腕が折れているおそれがある。→ 必要な検査をして折れていれば適切に処置をする。

それに対して、意匠(計画)設計は内科医。しかも、私の様な小さな町の設計事務所は、間違いなく「かかりつけ医」です。

例) 診療所で患者がお腹を痛がっている。→ 痛い原因を検査し、適切な薬を処方するとともに、なぜその症状に至ったかを考え指導する。おそらく生活習慣の改善指導など。こんなイメージ。

設計だと、施主がここに棚をほしがっている。→ そこになぜ棚がほしいのか、何を入れるものなのか。そもそもその作業はここですべきなのか。どんな生活スタイルなのか。みたいなことを一緒に考える。結局、全然違うところに棚ではなく机を置くことになったり(笑)することがよくあります。

今度、同じ質問されたら、そう答えよう。
町のかかりつけ医を目指して、日々がんばります!


モロカワ

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