2019年7月23日火曜日

勉強中

なにごとも勉強。
という、言い訳をして、最近の私の趣味です。

個人的な興味で20代半ばから茶道をしています。彦根藩、井伊直弼の茶湯一会集に習う、石州流という流派です。

御茶をしている方の趣味に多いのは、焼き物。
茶碗、水指、建水、蓋置、香合、大きいものでは風炉と、
たくさんのお道具を使いますので、合理的な趣味。

でも、たとえ御茶をしているといっても、
水指が30個も40個もいるわけでなく・・・。
自作の作品が、部屋の陳列棚へ所狭しと並べられることがしばしば。
家族からは「どうにかならないのか?!」と言われる始末。

そこで、私は焼き物ではなく「金継(きんつぎ)」をしてみることにしました。
割れた陶磁器を、漆で継いで、金や銀で装飾する「金継」

↑ 派手に割れました。

信楽焼のみはる釜、神崎先生の作品なんですが、子供が3人。ちょうどお手伝いしたい年頃。いたしかたありません。

↑パーツはそろっているようです。

とりあえず、紛失したものがないか確認。
もしも、無いパーツがあっても大丈夫。別の陶器から新たなパーツをつくり出すか、パテのように埋めることもできます。最強。

↑漆をボンドにしてくっつけます。

麦漆といって、強力粉と生漆を混ぜたネバネバ漆で、パーツを接着させます。この状態で、約1週間、ムロで乾燥。

↑くっついたお皿の、割れ目をパテ埋め。

錆漆といって、砥粉と生漆を混ぜたパテ上のもので、割れ目やらすき間やらを埋めます。
写真は、埋めて、乾燥させたものを紙やすりで磨いた後。

↑地味ですが、黒漆を塗ります。

分かりにくいですが、黒漆という色漆を細筆で塗ります。塗っては乾燥させ、磨き、塗っては乾燥させて、磨き。3度塗り。30分作業を、なか一日あけてコツコツと。
防水塗装のようなものです。

↑最後に、金や銀の装飾をすれば完成。

最後にの仕上げです。
色漆を塗って、乾かぬうちに金や銀の粉を振ります。乾燥させて磨くと「金継」完成。
表面にもうすこしコーティングすることもあります。
ちなみに、まだ修行中。金や銀の粉は高価ですので、金の代わりに真鍮。銀の代わりに錫を代用品としています。

メリット
・なにより、割れたものが直るということで、家族には重宝されます。
・ちょっと、普段使いにはもったいない・・・というものも、勇気をもって使えます。
 (割れても、金継で!)
・子供たちが、食器を割っても、大きな気持ちで注意できます・・・。

デメリット
・食洗機のような高温には向きません。(我が家はそもそも食洗機がない・・・)
・電子レンジは不可。鉄粉がついていますので。
・かぶれます。生漆を扱いますので、弱い人は。なぜか私は大丈夫。


モロカワ