2021年7月7日水曜日

仲間との仕事

お寺の工事現場より。
先月末にお寺本堂の全体を覆う素屋根が建ち上がり、7月に入って、屋根の解体工事が始まりました。

本堂をすっぽり覆う「素屋根」↑
この仮設材料を吊り上げるのは、大きなクレーンで。

素屋根の中は、工事を待つ本堂が鎮座 。↑


まずは鬼瓦や棟、避雷針の切り離し、雪止め用の鉄管を取り外し、屋根表面の波板鉄板を解体します。 すると鉄板葺きの下から顔を出したのが…おそらく100年ほど前に葺いた茅葺き屋根です。
この茅を全て撤去して、新たに屋根を復元します。
茅葺き屋根の解体撤去は、それぞれ専門の大工さんと、茅職人さん集団のお仕事です。
昨日は総勢8名が、屋根の上で解体作業に追われていました。

素屋根の中には重機が入りません。
重機、つまり建設機械が入らないということは、機械の力を借りたいところでも人力ということです。 重たいものを持つのも、引っ張り上げるのも、大きな鉄板をめくるのも…人の手と、手に馴染んだ道具なのです。
一人でできない仕事は、向こう側とこちら側で合わせて持つ、上と下で支えながら移動する、声をかけ合い・息を合わせて。
「行こかー」「それっ!」「あいよー」って。
そしてみなさん、にこやか。 きっと嫌な顔していたら息も合わないのでしょう…。
これって素晴らしい!
休憩の時も、仕事中も、それはそれは楽しそうなので、見ているこちらも楽しい!
「楽しそうか? 昔からの仲間やからなー」ですって。

腰に付けている縄は、茅を縛るだけでなく、 ↑
作業道具としての役割りもあるのです。



実はこの現場…数日前から群れからはぐれた「サル」が1匹迷い込んでいるようで、早朝や夕方には猿が顔を出します。
それならば「賃金はサツマイモ」の条件で、屋根から茅を降ろす作業を手伝ってくれないかな…と、茅職人さんより。
今度見かけたら、私からもお願いしておきます!




オガワ